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ガルナの塔に辿り着き、俺とディートは互いに『聖水』を振り掛ける。
ここに来るまでに、野生の魔物に遭遇していたが、
やはり『スライムベス』の姿は無かった。

「ガルナの塔って、何個か出入り口がありますよね。」
「片っ端から当たってみるか……。」

『聖水』の聖域効果でも魔物が現れたら、ビンゴだ!!
聖域効果は、塔の内部では無効化されるらしいので、周辺を探索する。
だが……。

「出ないな……。」
「ひょっとしたら、彼らは夜行性なのかもしれませんね。
 目撃情報が無かったのもその為かも……。」
「なるほど。やっぱりお前、賢者だったんだな。」
「……やっぱりって、今まで僕の職業を何だと思っていたんですか?」
「だって、俺と同じ15歳だし……。」

俺たちが言い合っていると、なんと『大くちばし』が呆然と見ている!!
……て、俺たちそんなに情けない会話していたか?
欠伸(あくび)をする『大くちばし』に抗議しようし、俺が近づいたとたん……!!

__……!?

奴の足元に、何やらウジャウジャとオレンジ色の塊が広範囲に……!!

「……う!!」
俺は思わず、吐き気を催す。
一体何匹いるのだろう……。
数100体位が一斉に俺を見た。
……目、目が怖すぎる……!!
一匹では可愛いモンスターも、
ウジャウジャいると気持ち悪いことこの上ない……。

「アクシズ。逃げられませんよ!!
 彼らに聖域効果は効きませんからね!!」
「わかっている!!」

__奴らの『巣』を破壊しなければ、俺達に勝利は無い……!!

俺は『ギラ』で、ディートは『イオ』を詠唱し広範囲にわたって奴らを退治する。
……しかし、倒す度、奴らの体液が飛び散ってとにかく俺は嫌だった……。
「確か、トマト潰した色ってこんな色だったよな〜……。」
俺が、うんざりした表情で呟く。
「あ、アクシズ……!!
 アレ見てください!!」
目の前の大群を何とか全滅させたあと、その現場に目をやると、
人一人通れる位の小さな洞穴がある。

「行きましょう!!」
ディートが、力強く言う。
俺は内心すご〜く嫌な予感がしたが、彼についていくしかなかった……。

__……!!!!?

……なんだあああああ、この粘液は!?

洞穴には、カエルの卵みたいなブツブツの入った粘った物体が
いたるところに張られているではないか……。

いや……。
全面だ。

「生命の神秘ですね〜……。」
……ディート。
お前は何故、この状況を見て平気でいられるのだ!?

そう思った時だった……。
小さなブツブツの中の小さな目が、一斉に俺を見たのだ……!!
その時、俺の中でなにかが音をたてて切れた。

__ぷち。

「うわあああああああああああ!!!!」

俺が、気が付いたときには、洞穴のあった場所がクレーターと化している。
ディートは俺を見て、笑顔で拍手していた。
「おめでとうございます!!
 初ミッション成功ですよ♪」
だがその直後、俺の意識は途絶えていた……。
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DQ3外伝『小説』CONTENTS