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「バサラ様。依頼ですか?」
タキシード姿の青年が、大神官に声をかけてくる。

ダーマ神殿、隠し階段の先には、酒場にも見える風景があった。
だが、『依頼・登録受付』だとか、『報酬金受け渡しカウンター』、
オマケに『銀行』まで揃っている……。
……これはいったい?

「『魔物ハンターギルド』じゃよ。」
「魔物ハンター?」
「そうじゃ。
 魔王軍が、世界の都市を滅ぼそうというのも、
 こういった秘密組織壊滅が目的と言う者もいる。
 だが、ココで倒すべき魔物は『必ず人間に危害を加えるモノ』のみじゃ。」

何もかも初めてだ。
そこで、俺は先ず素朴な疑問を聞いてみる。

「職業は何でも構わないんですか?」
「うむ。別にコレといった決まりは無い。
 依頼毎にパーティを組んでも構わんし、その間に転職しても構わん。
 強いて言うならば、遊び人でも魔物ハンターに登録可能ということになる。
 依頼成功も、日数が早いほうが報酬は良いが、基本的に無期限じゃ。
 どうじゃ。面白そうじゃろ?」
俺は、力強く頷いた。
それを確認し大神官バサラは、笑顔で頷く。

俺達は先ず、登録受付まで向かう。
「新規登録ですか。」
真面目そうな眼鏡の端麗な女性が、棒読みで俺に聞いてくる。
大神官が俺の代わりに登録書に記入する。
「ほお。『アクシズ・クライン』様ですね。
 職業『勇者』が登録なんて珍しいですね。
 まだ、『15歳』と若いですが、職業柄、依頼は多いと思いますよ。」

「レベルも丁度『15』位といったところじゃ。
 いきなり『Dクラス』の仕事も出来るが、
 最初は『Fクラス』からにしておこうかの?」

__何で、そんな下の方から!?

俺は抗議したが、大神官バサラは勝手に依頼内容を決めてしまった。
彼は、そんな俺を制して真面目な顔で諭す。

「良いか。この仕事はな。
 お主が普通に考えるより遥かに難しい。
 最初は『感覚』を掴む事より始めなさい。
 『最短で解けなければ、報酬金は減る』。
 無論、『失敗すれば無報酬』。
 依頼内容は『ガセ』という場合もある。
 ミッションクラスは『G』から『A』まであり、
 最上位『Sクラス』になると、『各国の代表達から直接依頼』が入る。
 もちろん各国代表からの『報酬は法外』になるぞ。」

俺は、ごくん……と、唾を飲み込んだ。
知らず知らずのうちに、手が震えている。
おそらく、武者震いだろう。

「では、やってみなさい。
 最初はワシもアドバイスしてあげよう。」
「はい!!」
俺が元気よく返事すると、大神官バサラは満足気に頷いた。
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DQ3外伝『小説』CONTENTS