<2> | ||
「バサラ様。依頼ですか?」 タキシード姿の青年が、大神官に声をかけてくる。 ダーマ神殿、隠し階段の先には、酒場にも見える風景があった。 だが、『依頼・登録受付』だとか、『報酬金受け渡しカウンター』、 オマケに『銀行』まで揃っている……。 ……これはいったい? 「『魔物ハンターギルド』じゃよ。」 「魔物ハンター?」 「そうじゃ。 魔王軍が、世界の都市を滅ぼそうというのも、 こういった秘密組織壊滅が目的と言う者もいる。 だが、ココで倒すべき魔物は『必ず人間に危害を加えるモノ』のみじゃ。」 何もかも初めてだ。 そこで、俺は先ず素朴な疑問を聞いてみる。 「職業は何でも構わないんですか?」 「うむ。別にコレといった決まりは無い。 依頼毎にパーティを組んでも構わんし、その間に転職しても構わん。 強いて言うならば、遊び人でも魔物ハンターに登録可能ということになる。 依頼成功も、日数が早いほうが報酬は良いが、基本的に無期限じゃ。 どうじゃ。面白そうじゃろ?」 俺は、力強く頷いた。 それを確認し大神官バサラは、笑顔で頷く。 俺達は先ず、登録受付まで向かう。 「新規登録ですか。」 真面目そうな眼鏡の端麗な女性が、棒読みで俺に聞いてくる。 大神官が俺の代わりに登録書に記入する。 「ほお。『アクシズ・クライン』様ですね。 職業『勇者』が登録なんて珍しいですね。 まだ、『15歳』と若いですが、職業柄、依頼は多いと思いますよ。」 「レベルも丁度『15』位といったところじゃ。 いきなり『Dクラス』の仕事も出来るが、 最初は『Fクラス』からにしておこうかの?」 __何で、そんな下の方から!? 俺は抗議したが、大神官バサラは勝手に依頼内容を決めてしまった。 彼は、そんな俺を制して真面目な顔で諭す。 「良いか。この仕事はな。 お主が普通に考えるより遥かに難しい。 最初は『感覚』を掴む事より始めなさい。 『最短で解けなければ、報酬金は減る』。 無論、『失敗すれば無報酬』。 依頼内容は『ガセ』という場合もある。 ミッションクラスは『G』から『A』まであり、 最上位『Sクラス』になると、『各国の代表達から直接依頼』が入る。 もちろん各国代表からの『報酬は法外』になるぞ。」 俺は、ごくん……と、唾を飲み込んだ。 知らず知らずのうちに、手が震えている。 おそらく、武者震いだろう。 「では、やってみなさい。 最初はワシもアドバイスしてあげよう。」 「はい!!」 俺が元気よく返事すると、大神官バサラは満足気に頷いた。 |
||
■次へ ■前へ ■DQ3外伝『小説』CONTENTS |