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決死の思いで、アクシズのところへ走った。
サマンオサの共同墓地の前に、彼は居た。
周囲に人は居ない。
空には星が瞬き、すっかり夜になっている。

逢うと、やっぱり冷たくされたけど、別に構わなかった。
彼の広い背中にしがみ付くと涙が止まらなくなった。
アクシズがやっと私の方を向いてくれたから、そのまま抱きついた。
怖かったけど、自分の気持ちを全て話した。
でも、貴方は受け止めてくれたから……。

「アクシズ……。
 大丈夫?」

長い抱擁から解放され、互いに見つめ合う。
アクシズの表情は、柔らかく温かかった。

「ああ。
 ありがとう……。」

再び、私を腕の中に閉じ込めてくる。
ゆっくり瞳を閉じると、彼の唇が私の唇と重なった。

このまま時間が止まればいいのに。
離れたくない。
ずっと、貴方の傍に居たい……。

「……アイリ。」

「何?」

「お互いの使命を果したら、その時は……。」

「……。」

少し照れていたけど、アクシズは真剣な瞳で真っ直ぐ私を見た。

「必ず、アイリの所へ戻る。」

自然と微笑む自分が居るのが分かる。
心が透き通る気がして、素直な気持ちが、やっと言えた。

「うん。
 待ってる。」

__ずっと、貴方を待ってるから……。
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