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__……。 「ディート様、抜け殻になってますわよ?」 呆然としたまま動かない僕を突付きながら、 リオがエクル大臣とファザード兄さんを睨みつけます。 2人は困った表情で互いに顔を見合わせました。 両拳を腰に当て、彼女は嘆息します。 「……私は、こんな方法でディート様と結婚するのは嫌です。 だってこれじゃ、まるで政略結婚みたいですわ……。」 ……。 どんな形でもいいかと思っていたけど、違うのですね……。 何だか遠まわしに断られたようで落胆しかけた時、 彼女は僕に視線を向け、優しく微笑みかけてくれました。 そして俯き、寂しそうに……。 「だから、ディート様が直接言ってくださるまで、待っていますわ。 だって、そこまで私の事が好きかどうかも分かりませんし……。」 「好きですよ……!! 僕は、リオが好きです!!」 胸が締め付けられる感覚に耐えかねて、思わず叫んでいました。 皆に注目されています。 ……でも、構わない気がします。 一番驚いているであろう、リオに向かって、思ったままの事を伝えます。 今じゃなければ、何時(いつ)言えばいいのか解からなくて。 「確かにビックリしたけど、最初から好意を伝えてくれて嬉しかった……。 僕だって、最初からリオが大好きです。 だから……。」 「よう言ってくれた!!!! ワシは嬉しいぞ!!!!」 大事な告白を遮って、感極まったエクル大臣が泣きながら僕の肩を叩きました。 ……正直、大臣に返事されても嬉しくないです。 肝心のリオに視線を移すと、口に両手を当て、瞳を潤ませていました……。 徐に歩み寄ると、素直に僕の胸に身を預けてきます。 __そうか、僕は彼女にまだ、自分の気持ちを伝えてなかったのですね……。 「リオ……、今まで、ごめんね。」 温かい気持ちが込み上げ、彼女を抱き締めると、胸が熱いような……。 ……泣かせちゃったのかな。 この後、僕等の縁談が纏(まと)まり、 アクシズ達の後に結婚式を挙げようという事に……。 結果的に、兄さんとエクル大臣に流されて上手くいったような……。 アクシズより奥手なんですよね、僕♪ |
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