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「……もう、嫌……!!」

一体、何度自分を女王にしたら、気が済むのであろうか……!?
ロマリア王に対し、怒りが込み上げてくる。
自分は、こんな事の為に『金の冠』を盗賊カンダタから、
取り戻した訳ではなかった筈なのに……。

__でも、王様を見つけないと……。

徐に立ち上がり、胴を押さえつけるコルセットに身悶える。
とにかく、アイリはドレスを脱ぎたくて仕方がなかった。

「何してるんだ?」

不意に若い男の声で呼ばれ、驚愕して振り返る。
だが、彼の顔を見たとたんアイリの表情が綻び、
その首へすがり付くように両腕を回した。
彼はドレス姿の彼女に驚きながらも、目を細め、しっかり背中を抱き締める。

「……アクシズ……!!」

何ヶ月振りであろうか……。
懐かしそうに、アイリはアクシズを見上げ、嬉しそうに微笑んだ。
2人は互いに顔を寄せ、瞳を閉じると、軽く唇を重ね合わせる。

「どうして、ココにいるの?」

「イシスの依頼が終わったから、
 ついでに寄ってみたんだ。
 ……しかし。」

身を離し、紅いドレス姿のアイリを眩しそうに見つめ、
次に、困惑したように天を見上げ、アクシズは嘆息した。

「あの王は……。
 本当に相変わらずだな……。」

「うん。
 また、強引に女王様にされちゃって、困っていたの。
 一緒に探してくれる?
 それに、このドレス、動きにくくって……。」

ドレスの裾を摘み上げ、アイリは苦笑する。
だが、何故か自分から視線を外さないアクシズに、
彼女は不思議そうに首を傾げた。

「私の顔に何かついてる?」

「い、いや……!!
 正直、ちょっと惜しいかな……と。」

「え?」

驚いて自分を見るアイリから視線を逸らし、アクシズは咳払いした。
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『DQ3』外伝CONTENTS