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「……で、結局、バラモスに負けちゃって、
 カルロスさんは『馬』、サブリナさんは『猫』にされちゃったのですわね……。」

『彼らのその後』を、リオが続けた。
あたしは、嘆息し、頷く。

「でも今は、2人とも元の姿に戻って、
 そのお礼で『誘惑の剣』まで貰っちゃった訳でしょ?
 ……とにかく、良かったわ……。」

地下世界。
マイラの村。
あたし達は今、マイラの温泉で、ゆっくり浸かっていた。

「ふ〜〜♪
 極楽、極楽……♪」

「でも、どうやって2人は、
 盗賊ギルドの『機密情報』を手に入れたのでしょうね。」
不思議そうに小首を傾げるリオに、あたしは答える。

「それは、未だに解からないわね。
 でも、ひょっとしたら……。
 Sクラス保持者の書類って、全て『ギルド統括』に置いてあるから、
 『盗賊ギルド』と『魔物ハンターギルド』の書類が、
 混じっちゃったのかもね……。」

「じゃあ、カルロスさん達は、本当は『魔物ハンターギルド』に、
 立ち寄る予定だったのですの?」

「そうかもしれないわよ?
 でも、登録者名簿には『盗賊ギルド』って書いてあるから、
 こっちに来たのかもね……。」

「もしかして、『書類不備』かもしれませんわ!!
 エルマさん。
 一度、『盗賊ギルド』で確認された方が、よろしいんじゃ無いですの?」

何で、温泉で『事務的なお話』してんのかしら……。
あたしと、リオは、温泉からあがる。

……ん?

温泉の壁の向こうに、何か見えるわね。
試しに、『レミラーマ』詠唱。
すると、草むらの中の『何か』が光る。

「凄いですわ〜〜〜!!
 『盗賊』専門の呪文、『レミラーマ』ですわね!!!!
 私、初めて見ました!!」

横に居たリオが、驚愕し、あたしを褒める。
ほっといて、草むらを探すと、硬い物に当たった。
掴んで持ち上げると、『笛』だった訳で……。

「これが、噂に聞く、
 『妖精の笛』っていう奴かしら……。」
 
__コレをアイリが吹けば、ルビス様は復活出来るわけね……。

アレフガルドに存在する盗賊達の『噂話』を思い出し、
あたしは『妖精の笛』を、自分の道具袋に、大事に仕舞う。

とにかく、ゾーマ討伐が終わったら、
一度『盗賊ギルド』に戻って、自分の登録書類を再確認しないとね……。
あたしは、苦笑するしかなかった……。
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