<3> | ||
「……で、結局、バラモスに負けちゃって、 カルロスさんは『馬』、サブリナさんは『猫』にされちゃったのですわね……。」 『彼らのその後』を、リオが続けた。 あたしは、嘆息し、頷く。 「でも今は、2人とも元の姿に戻って、 そのお礼で『誘惑の剣』まで貰っちゃった訳でしょ? ……とにかく、良かったわ……。」 地下世界。 マイラの村。 あたし達は今、マイラの温泉で、ゆっくり浸かっていた。 「ふ〜〜♪ 極楽、極楽……♪」 「でも、どうやって2人は、 盗賊ギルドの『機密情報』を手に入れたのでしょうね。」 不思議そうに小首を傾げるリオに、あたしは答える。 「それは、未だに解からないわね。 でも、ひょっとしたら……。 Sクラス保持者の書類って、全て『ギルド統括』に置いてあるから、 『盗賊ギルド』と『魔物ハンターギルド』の書類が、 混じっちゃったのかもね……。」 「じゃあ、カルロスさん達は、本当は『魔物ハンターギルド』に、 立ち寄る予定だったのですの?」 「そうかもしれないわよ? でも、登録者名簿には『盗賊ギルド』って書いてあるから、 こっちに来たのかもね……。」 「もしかして、『書類不備』かもしれませんわ!! エルマさん。 一度、『盗賊ギルド』で確認された方が、よろしいんじゃ無いですの?」 何で、温泉で『事務的なお話』してんのかしら……。 あたしと、リオは、温泉からあがる。 ……ん? 温泉の壁の向こうに、何か見えるわね。 試しに、『レミラーマ』詠唱。 すると、草むらの中の『何か』が光る。 「凄いですわ〜〜〜!! 『盗賊』専門の呪文、『レミラーマ』ですわね!!!! 私、初めて見ました!!」 横に居たリオが、驚愕し、あたしを褒める。 ほっといて、草むらを探すと、硬い物に当たった。 掴んで持ち上げると、『笛』だった訳で……。 「これが、噂に聞く、 『妖精の笛』っていう奴かしら……。」 __コレをアイリが吹けば、ルビス様は復活出来るわけね……。 アレフガルドに存在する盗賊達の『噂話』を思い出し、 あたしは『妖精の笛』を、自分の道具袋に、大事に仕舞う。 とにかく、ゾーマ討伐が終わったら、 一度『盗賊ギルド』に戻って、自分の登録書類を再確認しないとね……。 あたしは、苦笑するしかなかった……。 |
||
■これの次の話『EPISODE_[4]』へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |