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「……で、何でいきなり『バラモス城』なのよ……。」

白い目で、カルロスを睨み付けると、彼は狼狽する。
まさかとは思うけど……。

「エルマさんが行った事があると聞いたものですから……。」
サブリナが申し訳なさそうに、あたしを見つめる。

__……っていうか、あたしが言いたい事は、『そんなこと』じゃないのよ!!

「一体、何処から『そんな情報』仕入れてきたのよ!!!!
 これは『盗賊ギルドSクラス保持者』のみの『機密情報』なのよ!!!!」

腹底から、いきり立って、彼等に突っかかる!!
何処の『情報網』よ。
解かり次第、ぶっ潰してやる……!!

「い、いえ。
 エルマさんが、『サマンオサ所属の勇者』様の仲間だと聞いたもので。」

と、冷静にカルロス。
一方、あたしは、すっかり頭に血が上ってしまっている。

「何で、そんなディープな部分まで知ってんのよ!!!!
 それに、アイツ(アクシズ)は、サマンオサ所属じゃないわよ!!!!
 勇者なら、アリアハンにも居るでしょうが!!!!」

あたしの強い言葉に、サブリナが真剣な表情で答えてくる。
「それが、アリアハン所属の勇者オルテガ様は、その……、
 ……崩御(死亡)されたと伺ったものですから。
 仕方なく……。」

確かに、そうだったわね……。
あたしは項垂れ、嘆息する。

「でも、何の為にバラモス城に行くの?」

あたしの問いに、カルロスは『予想通りの答え』を返した。

「『魔王バラモス』を倒す為です。」

「バラモスを?
 何の為に?」

「え?
 何の為って、『世界を平和にする為』ですよ。」

「あんた達は、それで『世界が平和になる』と本気で思ってるの?」

面倒くさそうに問う、あたしを見て、
2人は怪訝そうな表情で、互いに顔を見合わせる。
そして、カルロスが力強く頷いた。
続いてサブリナも頷く。
呆れる、あたし。

__こりゃ、止めても無駄ね……。
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『DQ3』外伝CONTENTS