「貴女にお願いしたいことがあって、ここに来ました。」 盗賊ギルドに何故か、一組の男女が現れた。 ……見たとこ、この2人『恋人』同士らしいけど……? |
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「言っとくけど、あたしは高いわよ〜〜〜? その辺の、盗賊共に任せておけばいいんじゃないの?」 「でも、この仕事は『エルマ』さんじゃないと出来ないんです……。」 可愛らしい女の子の方が、懇願するような瞳で、あたしを見つめてくる。 あ、申し遅れたわね。 あたしはエルマージュ・テセラ。 あたしを呼ぶときは、気軽に『エルマ』でいいわよ♪ ……というか、何か、この依頼者達『訳あり』ね……。 「……『あたし』しか出来ない仕事って? まさか、『ヤバイ仕事』じゃないでしょうね……。」 内容の厳しさは、依頼者の雰囲気で理解できるもの。 この2人は『何かを覚悟』しているかのようにも見える。 ……とにかく、盗賊界の掟で、これだけは言っておかないとね。 「言っておくけど、ココは『盗賊ギルド』であって、 『暗殺ギルド』や『魔物ハンターギルド』じゃないの。 『盗み』はやっても、『殺し』は一切やらない。 もし、そういう依頼ならば、他でお願いしてね……!!」 すると、2人は互いに顔を見合わせ、頷いた。 表情は真剣そのものだけど、 心なしか頼もしそうに、あたしを見ている。 今度は優男の方が、話し掛けて来る。 「やっぱり、エルマさんは噂どおりの方ですね。 貴女なら、信用できます。 ええ。貴女の言うような事は一切依頼しません。 僕達は『案内』してもらうだけで結構です。」 「『案内』ね。 それなら、やってもいいわ。 貴方達、名前は?」 あたしが名を問うと、二人の表情が明るくなる。 「はい!! 僕は、『カルロス』。 そして、彼女は『サブリナ』。僕の恋人です!!」 |
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