<3> | ||
「アクシズを人間界に帰せだと……!!?」 『ゼニスの城』謁見の間。 私はゼニス王の言葉に驚愕し、いきり立って叫んでいた。 だが、王は人智を超えた落ち着きようで、私を制した。 ……よく考えてみれば、天界は神の住む世界だから、 普通の人間には理解し難い感覚の持ち主しかいないな……。 「エビル。 コレは、『竜の女王』の言葉だ。 私の言葉では無い。」 ゼニス王は、大きすぎる翼を畳もうともせず、そのまま玉座に腰掛けた。 羽が折れるぞ……? 「『竜の女王』がか……。 意外だな。」 「人間の寿命は短い。 我々と同じように考えてはいかん。」 「アクシズは、『天竜クライン』ではないのか?」 ゼニス王は、玉座から再び立ち上がり、羽を撒き散らしながら、私に詰め寄る。 だから、その五月蝿い羽をしまえって……!!!! うっとおしい!!!! 「確かに血は受け継いでおるが、それでも『人間』には変わり無いのだ。 まったく、子孫に迷惑をかけおって、クラインの奴は……。」 __……ということは、ゼニス王は、いつから生きているのだ? 不思議に思って、指を数えてみるが、あいにく私の指は両方合わせて8本しかない。 まあ、スラリンなんかはもっと数えられんがな。 「今で、アクシズは何歳になった?」 私は、素朴な疑問を投げかける。 すると、ゼニス王は非常に短い数字を言ってきた。 「人間界の年齢で『12歳』だ。 我々の年齢に直すと、丁度『120歳』といったところか。」 私は、驚いて狼狽した。 「なんと!! もう、そんなに成長したのか!!?」 これは直ぐに、地上界にある『竜の女王の城』に向かわなければ!! 私は、天界へ通じる洞窟を降り、地上界に向かったのだった。 |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |