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「相変わらず、汚いな……。」

コロシアムの控え室で、散らばった藁を片付けながら、私は大きくため息をついた。
しかも、スラリンの部屋が、一番汚い……。

「だって、仕方ないでしょ。
 ボクには『手足』が無いんだから!!」
「だからって、私にばかり任せることは無いと思わんか?」

__天使達も、暇だから怠惰に溺れるんだな……。

未だ欠伸の止まらないスラリンを見つめ、そんなことを考える。

地上界や、地下世界では、大変な事になっているというのに、
我々といえば、気の遠くなるような時間を持て余し、
雲の上で安穏としているだけだ。
……ん?
コロシアムに、誰か居るぞ?

「天使みたいだね……。」
「ちいさなメダル110枚がどうのこうのと言っていた、天使ケルビンだな?」
目を細めて遠くを見たら、やはり天使ケルビンだった。
スラリンは肩(?)を竦めて、嘆息する。

「確かアレって、集めても褒められるだけで、何にもないんでしょ?」
「確かに、無駄足だと思うが……。」
「普通の人間なら、切れられても文句言えないよね……。」

スラリンの言葉が聞こえたのか、
天使ケルビンはいきり立って大股でコチラへやってきた。
相変わらず、奴は地獄耳だ……。

「何の話ですか!!
 失礼な!!」
「それより、我々を呼びに来たのではなかったのか?」

するとケルビンは、コホンと1つ咳払いすると、偉そうな表情で我々を見上げた。
普通、逆だと思うのだが、形(なり)がこれだから仕方ない。

「ゼニス王が。」
「断る!!」
私は、そっぽを向いたが、ケルビンは回り込んで再び私を見上げた。
「まだ、何も言って無いでしょうが!!!!
 聞いて下さいよ!!!!」

__面倒くさいな……。

「どうせ、魔王バラモス絡みの話なのだろう?
 奴が、大魔王ゾーマの臣下になってから、私も迷惑していたのだ。
 だから、王とは会いたくない。」
私は、ため息をついて拒否したが、ケルビンから意外な言葉が返ってきた。

「じゃあ、『アクシズ』君絡みだといい訳ですね。」

……なるほど。
どうしても、私に会いたいらしいな……。
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『DQ3』外伝CONTENTS