空には天界があって、竜の神様が住んでいる。
天界にも王が居て、羽を持った天空人達が、普通に生活している。
そして、コロシアムもある訳だ。
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私はバラモスエビル。
皆からは『エビル』と呼ばれている。

普段は、天界コロシアムで、下界からの挑戦者相手に闘っているのだが、
最近はこんな世の中だから誰もやって来ない。
それも、これも、私の迷惑な親戚の所為なのだが……。

「暇だね〜〜〜。」

私と同じく、コロシアムで挑戦者を待っていた、スラリンが欠伸をする。
『スラリン』は、スライムなのだが、コレで結構レベルが高い。
まあ、天界にいる魔物達は、私を含めて普通のレベルじゃない。

「ねえ、エビル。
 たまには、ゼニス王様に会ったほうが良くない?」
「何故だ?
 私は、天使は好かない……。」
「また、また〜〜!!
 意地張っても仕方無いじゃない!!」
「……とにかく、私はアイツは好かないのだ!!」

スラリンは呆れて身を竦ませたが、
私はとにかくゼニス王に会う気にはなれなかった。

……理由は、私の『親戚絡み』のことなのだが……。
とにかく親戚問題が関わると、皆、息苦しくなるものだ。
私も、その1人だった。

「何処行くの?」
スラリンが尋ねてくる。
だから、私は彼に答えてやった。
「控え室だ。」
と……。

スラリンは、驚愕して慌てたが、
私にはその原因位、直ぐに理解出来た。

__どうせ掃除してないんだろ……?
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