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「……で。 結局、ゼシカには逢えなかったんだ……。」 トロデーン城。 豊かなディナーを囲みながら、エイトが嘆息する。 嗜(たしな)む程度にワインを注ぎ、仕方なく頷いた。 「まあ、お腹も空いたでしょうから、 ココは何も考えず、お食事にしませんか?」 優しい姫様の言葉を遮るように、 ワイングラス片手に、トロデ王が語り始める。 「夜にアルバート邸が閉まるのも癖ものじゃが、 あの家は、女性が多いゆえ仕方の無いことじゃろう。」 「ククールが行けば、夜這いになり兼ねない……って事ですか?」 エイト!! その解釈はあんまりだろ!!? 俺は、獣(けだもの)じゃない!!!! 「生きていれば、きっとゼシカさんに逢えますわ♪ 元気出してください。」 ……柔らかい表情に似合わず、 言葉の中に『厳しさ』を感じるのだが……。 意に介せず、姫様はニコニコしている。 確かに姫様の言うとおり、 今は普通に過ごすしかないだろう……。 「あ、ククール。 どっさり仕事預かってるから、後で手伝ってね♪」 笑顔でエイトに書類の山を渡される。 どうやら、普通に過ごす事すら許されないようだ……。 |
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■違う話が見たいので、最初から始める。 |
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