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「今日は、特製ディナーじゃというのに、いらんとは……。」

トロデーン城。
意外そうな表情で、トロデ王が豪華な食卓に視線を移す。

「いいんだよ。
 元々俺は少食だし。
 極上のワインさえあれば、なんとかやっていけるしな。」

クールに済ませたつもりが、エイトの茶々が入る。

「アルバート家にお世話になってたんだろ?
 良かったね。
 気に入ってもらえて♪」

ニコニコしながら俺の肩に、腕を置いてくる。
今回は結果オーライだけど、
城の仕事を手伝うのはゴメンだぜ?

「ゼシカさんとは、上手くいっているみたいですね♪
 ミーティア、安心です♪」

可愛らしい微笑みを投げかけながら、しっとりと佇(たたず)む姫様。
エイト、俺に感謝しろよ?
もう少しでお前、姫様を失いかけたんだぞ!?
俺とヤンガスがけしかけなかったら、一体どうなってた事やら……。

「だから、俺はククールにも幸せになって欲しいだけだよ。
 別に、からかうとか、冷やかすとかじゃないから……。」

「……まあ、俺も、ココで居候させてもらってるからな。
 正直なところ、聖堂騎士団にいた頃よりかは、
 ずっと居心地がいいと思ってる。」

マイエラ修道院でオディロ院長が亡くなるまでは、
我慢の生活だったからな。

「ククール、我慢してたんだ。」

本気で驚愕しながらエイトが呟く。
抗議しようとしたが、トロデ王の助け舟が入った。

「良い、良い♪
 城内に居る者は、来訪者も含めて皆家族じゃよ♪」

「オッサン。
 来る者拒まず、去る者追わず……ってとこだな。」

「そうじゃ。
 ……こら、ククール!!
 オッサンはないじゃろ!!
 ワシはこれでも、偉い王様なんじゃぞ!!」

ピョンピョン跳ねながら、トロデ王の抗議と説教が始まる。
これも平和になった証拠ってヤツだろ?
耳を塞ぎながらも、俺は苦笑した。
 ■違う話が見たいので、最初から始める。
 
  

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