俺は、『あぶないビスチェ』を持って行くことにした。 袋から取り出し、自分の道具袋に入れる。 ……何だか怪しいが、見えなければ大丈夫だろう。 |
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瞬間転移呪文『ルーラ』詠唱で、リーザス村に到着。 アルバート邸に行く際、 共同墓地にいる老婆と目が合う。 な、なんだかヤバイ予感がするが……。 そのまま通り過ぎようとすると、 俺の道具袋が落ちる。 __タイミング悪い……!! 親切心からだろうが、婆さんは俺の道具袋を拾おうとして、倒れた!! 弾みで、中身が散乱し、『あぶないビスチェ』までもが剥き出しになる!! 「拾おうとして、起こされてたら、世話ないですね……。」 助け起こしたは良かったが、 案の定、老婆の瞳は不信感に満ちていた。 「変わった『ご趣味』をお持ちで……。」 __……!!!!? 『あぶないビスチェ』を俺が装備すると思っているらしい。 ……んな事、出来る訳ないし、 いくら俺が美形でも、女装趣味など無い!!!! 気が付くと、人だかりが出来、 不思議そうな表情で俺を見つめている。 ご、誤解だ!!!! 「へ〜〜〜〜。 兄ちゃん、美形だしな〜〜〜〜。 確かに、似合うだろうな〜〜♪」 「ちょっと見たいかも……♪ 格好良い人って、何着ても格好良いって言うし♪」 ちょっと待て!!!! 話が変な方向に行ってるぞ!!!! 耐え難い状況に絶叫しかけたが、丁度、周囲が暗くなり、 夜の合図を告げるかのように星が瞬き始めた。 夜になれば、当然、村の住民達も帰宅する。 そして、1人取り残された俺は、嘆息して項垂れる。 __まったく……。いやらしい事は考えるものじゃないな……。 俺の自業自得だ……。 少し、反省。 |
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