俺は、『お菓子』をそのまま持って行くことにした。 麗しい姫様がせっかく(大量に)作ってくださった物だからな♪ |
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瞬間転移呪文『ルーラ』で、リーザス村に到着。 教会前で走り回っている子供が2人。 「何だよ。 偵察って言ってくれよ!!」 不機嫌そうに腰に拳を当て、 相変わらず、子供用の兜を被ったままの格好で、ポルクが歩み寄ってくる。 随分と偉そうな奴だな。 こっちは大人だというのに……? 上から見下ろし、睨み合いの格好になっている俺も大人気ないが……。 「ポルク。 ご苦労様。 あら、ククールじゃない。」 笑顔でやってくるゼシカが、 お鍋の上からマルクの頭を撫でるが……。 __あれじゃ、撫でられている気がしないな……。 嘆息。 苦笑しながらも、エイトに渡されたお菓子の包みを渡す。 実際、受け取ったゼシカよりも、少年2人の方が喜んでいる。 「姫様の手作りだそうだ。 これだけの量も、彼等にかかれば、無くなるのも容易いだろ?」 「確かに、そうね。」 待ちきれず唾(つば)を飲み込むマルクに視線を移し、ゼシカが微笑む。 ……子供好きなのか、優しいだけなのか。 俺にはどっちでも構わないけどな……。 「アローザさんは元気か?」 「母さんなら元気よ。 最近、ククールが家に来なくなったから、 仕事渡しすぎたかな〜〜…って、反省もしてたみたい。」 「いや、あの時はビックリしただけで、 トロデーン城に戻ったのは、別の用事があったからなんだ。 気を悪くさせたなら、すまなかった……。」 しばらく話し込んでいると、少年2人が静かだ。 ゼシカに失礼して、視線を逸らし探すと、 何と『お菓子』を平らげてしまっていた!! 到着してから、まだ、数時間も経ってないぞ……!! 知らぬ間に拳を握り締め、怒りに身を震わせる俺を制し、 ゼシカが苦笑する。 「まあ、まあ。 どうせ、ウチじゃ、食べ切れなかったんだし。 ククール。 晩御飯くらいは寄ってく?」 「そうだな……。 お言葉に甘えて……。」 ……が。 「ヒューヒュー!! お熱いね〜〜〜〜♪」 冷やかすポルク達。 叩かずにはいられなかった。 まったく、いいかげんにしろよ……!! |
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