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そして、現在に至る。

トロデーン国王となった俺は、あれから挨拶の為、世界各国に立ち寄った。

俺に次期国王になって欲しいと言っていたサザンビーク国のクラビウス王が、
非常に残念そうな顔をしていたのが気になるが、
あの国はチャゴス王子がいるし、
ヤンガスの『教育』(山賊流)も続いているみたいだし、
大丈夫だろうと思う……。
多分……。

アスカンタ国のパヴァン王は、相変わらず『モグラのアジト』から響いてくる、
ドン・モグーラの歌声で睡眠不足だとか……。

モリーさんの所に預けている、俺のモンスターチームは今も健在で、
いい子にしているらしい。
また、会いに行こう……!!


書類を片付け終わり、仲間達に視線を移すと、皆、くたびれていた。

「これじゃ、前王(トロデ)の時となんら変わりないじゃないか!!」
ククールが文句を言う。

「仕方ないわよ。
 こんなに仕事、溜め込んじゃってるんだもの。」
ゼシカが白い目で睨んでくる。

一方、ヤンガスだけは、嬉々として書類に、はんこを押している。
「アッシは兄貴の大出世が嬉しいでがすよ!!
 何でも手伝うでがす!!!!」

「まったくおめでたい奴……。」
嘆息し、ククールが項垂れる。

その時、ミーティアが紅茶とお菓子を持って、部屋に入ってきた。
散々、料理長に止められた挙句、何とか自分で持って来たのだとか……。
「ミーティア王妃様は座っていてください……って、言われました。」
苦笑する彼女に、皆の顔が綻ぶ。

「姫様……いけね!!
 今は、王妃様でがすね。
 さあ、オヤツにするでがすよ!!」
「勝手に仕切るな!!」
「でも、やる気出てきたわ♪」

仲間達がワイワイ騒ぐのを見ると、心が温まるのが分かる。
俺が王になっても、皆の接し方は変わっていない……。

「どうじゃ、国王というのも、別に悪くないものじゃろ?」

聞き慣れた声に振り向くと、トロデ前王が立っている。

「そうですね、陛下。」

「違うじゃろ?」

……あ、そうだった。
不機嫌そうに口を尖らす前国王。
深呼吸すると、俺は笑顔で返事した。

「はい。
 お義父さん!!」



あとがきです。
『エイトさんの受難』も無事終わる事が出来ました。
ここまで読んで下さった方、お疲れ様です。ありがとうございました。
応援して下さった方、支えてくださった方々に心から感謝を申し上げます。

暇で仕方ない時、気軽に楽しめる小説であってくれると嬉しいです。



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DQ8『小説』CONTENTS