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「アイリ!!!! 怯むな、ゾーマに止めをさせ!!!!」 『ゾーマ城』大魔王の間で、勇者アクシズは叫ぶ。 アスラゾーマは『勇者の魂』を失い、その姿を元のゾーマに戻していた。 勇者アイリは、未だ『覚醒』したままだ。 だが、彼は自分の名を呼んだ。 全ての迷いが取り払われ、『王者の剣』を振り下ろす!!!! ゾーマの肩口から胴まで、オリハルコンの刃が斬り裂いた。 青い血飛沫が上がり、もがき苦しむ。 アイリは一旦、後方に引くと、ゾーマを見据えた。 大魔王は肩で息をしている……。 そして苦しそうに、薄目を開けると、彼女に向かって微笑した。 『……アイリよ……。 よくぞ、ワシを倒した……。』 ゾーマは咳き込むと、青い血の塊を吐き出した。 再び、アイリを見つめる。 『だが、ワシには見える……。 ワシは、元々、魔界の予言者だった……からな……。 ……また、何者かが、闇の中から現れ……、 この世を支配するであろう……。 だが、その時は、お前は年老いて生きてはいまい……。』 深い笑い声と共に、ゾーマの身体が崩れ始める。 灰の様にサラサラと消えていく。 アイリの方も『覚醒』が解け、意識を失い崩れるように倒れかける。 慌てて駆け寄ると、アクシズは彼女を抱き止めた。 「やっと、終わったな……。」 エビルが呟く。 気を失ったアイリを抱かかえたまま、アクシズは力強く頷いた。 倒れたラーミアを介抱していたリオも、エビルの言葉に明るい表情で頷く。 ディートは親友が生き返って、感激の涙を瞳に浮かべている。 クリスも笑顔で頷く。 ……と。 城内が揺れ出す。 主を失った城は、脆くも崩れ去ってしまう。 逃げる暇も与えず一同は、突如足元に出来た、空間の狭間に投げ出されていた。 |
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